春キャベツは、淡いけれどもしっかりとした黄緑色で、葉の巻きもゆるくふんわりとしています。柔らかく甘みも強く、生での料理でも、火を通す料理でもそれぞれの美味しさがあります。
私が生まれ育った雪国では、春キャベツを食べられる期間が短く、料理というより揚げ物の添えとして祖母がリズムよく千切りにしていたのを懐かしく思い出します。
茨城県での暮らしは、私の人生の半分以上を占めました。この土地での暮らしから感じるのは野菜がこんなに美味しいものだということです。四季折々に出回る野菜が楽しみでなりません。
さて、春キャベツの話に戻りましょう。栄養価はビタミンC、ビタミンU、ミネラルや食物繊維が豊富です。紫外線が増える春にビタミンCを摂取することは重要です。ビタミンCには免疫力を高める効果もあります。ビタミンUには胃の粘膜を健康に保つ働きがあります。ミネラルとしてカリウムはむくみ対策、カルシウムは骨や歯の健康にも必要です。食物繊維は腸内環境を整え、血糖値の安定にも役立ちます。たっぷりと春キャベツを食べたいですね。
キャベツばかりでなく春野菜は寒い冬を耐えて旬を迎えるので、ビタミン類をはじめとした栄養をたっぷりと蓄えています。また、春は害虫なども発生しはじめる時期であり、野菜は身を守るために苦み成分が含まれるものも多く、この成分が体内の老廃物の排出や新陳代謝の促進に役立つとも考えられています。
みずみずしさ、甘み、フレッシュ感、ほろ苦さを味わえる春野菜を食卓にたっぷりと並べるのもこの季節ならではの楽しみではないでしょうか。
春野菜のにこごり風 アズキ添え
●材料
粉寒天 4g
水 500cc
A
しょうゆ 大さじ1
砂糖 小さじ1
ショウガ汁 大さじ1
B
砂糖 20g
塩 小さじ1/2
絹サヤ 8枚
グリーンアスパラガス 2~3本
ニンジン 1/3本
アズキ 20g
水 400cc
●作り方
① 絹サヤとアスパラガスは塩ゆでし、斜め千切りにする。
② ニンジンは細めの千切りにし、サッとゆでる。
③ 流し箱(容器)に①と②を均一に並べる。
④ 鍋に、水500ccと粉寒天を入れてよくかき混ぜてから中火にかけ、木べらなどで時々混ぜ、1~2分程沸騰させる。火を止めてAを加えよく混ぜ合わせ粗熱を取る。
⑤ ③に④を静かに流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
⑥ アズキは水洗いし、鍋に入れて400ccの水を加えて煮る。途中で水が少なくなったら、アズキがひたひたにかぶるくらいの水を足しながらさらに煮る。アズキが柔らかくなったらBを加えてもうひと煮立ちさせる。
⑦⑤を切り分け器に盛り、⑥を添える。
※アズキは市販のゆであずき(無糖)を使用するのもよい。
※出来上がりの固さを柔らかくしたい時は水量を600ccまで増量するとよい。
春キャベツとジャコの春巻き
材料(2人分)
春キャベツ 150g
ジャコ 大さじ2
春巻きの皮 4枚
卵 1個
A
マヨネーズ 大さじ2
味噌 小さじ1
粉チーズ 大さじ1と1/2
パン粉 大さじ1と1/2
コショウ 適宜
のり(小麦粉大さじ1を同量の水で溶く) 適宜
揚げ油 適宜
●作り方
① キャベツはさっとゆでて1cm幅に切り、よく水気をきる。
② 卵はよく溶いておく。
③ ボウルに①とジャコとAを入れてよく混ぜ合わせ、②を加えてさらに混ぜ合わせる。
④ 春巻きの皮に③を1/4量のせて巻き、のり止めする。
⑤ 揚げ油を熱し、140℃くらいの低温から④を入れて揚げ始め、徐々に160℃くらいまで温度を上げながらカリッとするまで揚げ、よく油をきる。
※粉チーズの量は好みに合わせて増減する。
※ベーコンを細めの千切りにして加えてもキャベツとの相性が良い。