SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、現代社会における重要なコミュニケーションツールであり、ビジネスの世界でも大きな影響力を持っています。SNSを活用することで、顧客との関係性構築やブランド認知度の向上、新たな市場へのアプローチが可能になります。企業がSNSを利用する際に得られるメリットは多岐にわたりますが、同時にリスクも存在します。
今回はSNSの利用におけるメリット、代表的なものとその特徴、売上向上への繋げ方について紹介していきます。
低コストでターゲット層に的確なアプローチ
SNSをビジネスで活用する際のメリットとして、まずコストの面で大きな利点があります。今までは、メディアや紙媒体に巨額の広告投資を行わないと目に留まることがなかった広報活動を比較的安価で行うことができ、ターゲット層に的確にアプローチすることができます。拡散力の強いX(旧Twitter)やFacebook・TikTok、顧客との距離を縮める効果のあるInstagramやLINEなどを活用することで、ユーザーとのダイレクトなやり取りが可能となり、企業のブランド価値や信頼性を向上させ顧客との緊密な関係を築くことができます。
しかしながら、SNSを活用する上でのリスクも存在します。スマートフォンの普及とともに溢れかえった情報や競争の激化により、顧客の心をつかむことが難しくなることがあります。特にSNS上でのネガティブなコメントや情報の拡散への対応、他社との差別化など戦略の立案と運用が必要です。今回はその中でも顧客がファンになりやすい2つのSNSの特徴を紹介します。
●フォロワーとの相互関係を大切にするInstagram
Instagramは視覚的なコンテンツを重視したSNSであり、写真や動画を主体とした投稿が特徴です。商品の魅力を視覚的に訴求することができ、フォロワーと呼ばれる顧客との交流を大切にするための継続的な発信やその場のリアルな情報を伝えるライブ配信、ストーリーと呼ばれる24時間限定の投稿など、フォロワーとの相互関係を大切にします。
●登録者限定の情報発信や商品の販売を促進するLINE
LINEは元々メッセージアプリとしてスタートしましたが、ビジネス向けの機能や公式アカウントを通じた顧客とのコミュニケーションを強化し、登録者限定の情報発信や商品の販売促進に活用されています。
自らの思いを伝える手段として活用してみよう
それぞれのSNSを活用して売上を向上させる方法の一つとして、ストーリーテリングがありユーザーとともにストーリーを創る「共創型」は近年有効な手法として多く用いられています。
具体的な効果として、①イメージが伝わりやすい、②記憶に残りやすい、③共感度が向上する、が挙げられます。農業では消費者に生産者のストーリーを通じて商品の魅力を伝えることが重要です。例えば農産物の生産過程や栽培者の情熱をストーリー化し、SNSを通じて消費者と共有することで、商品への関心を高め、購買意欲を喚起することができます。特にInstagarmはUGC(User Generated Content)と呼ばれるユーザーによって生成されたコンテンツを多く獲得することで、消費者の「リアルな声」をイメージしやすく、ユーザーの購買行動を変化させる効果的な方法として有効です。
LINEはスマホ保有者の約80%以上が登録する身近なSNSとして利用されており、事業発信の場合はLINE公式アカウントを使い24時間365日働いてくれる営業ツールとして、個人に最適化した1対1のコミュニケーションが実現できます。応答メッセージや登録者限定情報を発信することで「即時に・届けたい情報を・見てもらいやすい」SNSとして商品やサービスの満足度が高いことが強みです。
SNSをビジネスで活用する際にはそれぞれの特性を理解し、独自の戦略を立てながら顧客とのコミュニケーションを重視していくことが必要です。まずはアカウントを開設し、QRコードを設置するところからお客様との接点を生み出し、新たなストーリーをはじめてみてはいかがでしょうか。