首都圏で青果物を扱う卸売会社を構成員とする「茨城野菜研究会」では、①市場流通の動向を踏まえた産地への要望や、②市場に出荷された青果物の品質・選果選別状況の調査に基づく品質向上に向けた提言を、産地関係者へ発信しています。
今回は、本県主要野菜の取引状況や要望についてのアンケート調査の結果を紹介します。
今回は、本県主要野菜の取引状況や要望についてのアンケート調査の結果を紹介します。
品目 | 状況・要望等 |
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春ニンジン | ・堅調な需要があり、引き続き出荷数量の確保を要望 ・徳島産からの切り替え、千葉産との競合を踏まえ、予冷等による一層の品質管理と安定が望まれる |
・産地が限られる夏場は堅調な需要があり、引き続き出荷数量の確保を要望 ・高温期の販売になるため品質管理の徹底が重要 |
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秋冬ネギ | ・東北産地から本県への移行をスムーズに進めるため、10~11月にかけて特に品質重視の出荷を要望 ・販売先により結束の需要あり |
アスパラガス | ・全国的に作付け減から市場入荷量は減少傾向となるなか、国産物への需要が根強い ・栃木、九州産との競合を前提に、数量と品質の安定を要望。特に春先は発泡箱出荷の需要が高まる |
・本県中心の販売となる4~6月は需要が安定しており、引き続き計画的な生産と数量の確保を要望 ・気温上昇に伴う品質低下に注意 |
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夏秋キュウリ | ・東北から関東への端境期のなかで、本県産に対する一定の需要があり、引き続き数量の安定および増産を要望 ・残暑等の高温期となるため、品質対策が重要。販売店では、袋物販売も盛況 |
夏秋ナス | ・群馬、栃木産との競合のなか、品質と数量の安定による売り場の確保が重要 ・袋物(4~5本入り包装)の対応や長ナスの作付増の要望あり |
夏秋トマト | ・生産量は全国的に減少傾向 ・9~10月の市場評価の高い本県産の増産要望あり ・今後、促成やミニトマトも含めトマト類による本県産の周年販売への対応も重要 |
オクラ | ・本県の出荷盛期である7~9月は、鹿児島・高知県等の西南暖地中心の販売。一方、関東近在産への需要もあり、引き続き安定出荷と増産を要望 |
タマネギ | ・本県盛期の5~7月は、兵庫等の既存産地に加え、北陸・東北産地が増加傾向で競合が激化している。佐賀県の入荷が減少基調から関東産の安定出荷を要望 ・競合産地が多く、品質を重視した生産および選別が重要 |
豆類 | ・インゲン、ソラマメ、エダマメの入荷は減少基調 ・各品目とも旬の商材として、安定出荷と増産を要望。高温期出荷の際は、特に品質管理に注意 |
品目名 | 状況・要望等 |
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レンコン | ・年末年始、ひな祭り等の特需期に向けた数量の確保、計画安定出荷を要望 ・年間を通した安定供給、品質格差のない商品づくりと真空パック等の新商材の提案による需要喚起が重要 |
・愛知、千葉、群馬各県などの主要産地の市場占有率が高い ・他県の作柄が市場価格に大きく影響するなか、品質・数量の安定が求められ、一方で加工・業務用の契約取引など販売の多角化、差別化商品づくりが重要 |
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レタス | ・全国的に作付けが減り、入荷量は減少基調のなか、引き続き本県産の安定出荷を要望 ・特に春作は一定の需要があり、数量の確保と出荷の波のない安定出荷が望まれる ・先行産地(長野県)からの円滑な切り替えを進めるため、産地や生産者間の格差のない品質が重要 |
ハクサイ | ・業務や外食需要は徐々に回復傾向 ・本県と長野県の入荷競合を踏まえ、需要を見据えた計画安定出荷と産地・生産者間の品質格差の是正が重要 ・適正な価格形成に向けた、適量・適時出荷を要望 |
コマツナ | ・市場への入荷は微増傾向であり、時期によっては供給過剰となる場合がある ・通年の安定販売にむけた計画出荷と夏から秋にかけての品質向上を要望 |
・堅調な需要を背景に、本県をはじめ群馬・栃木等関東近在から年間を通した入荷。総じて入荷量は微増傾向 ・他産地との競合を踏まえ、数量と品質の安定、出荷規格の遵守を要望 |
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ネギ | ・品質の安定、数量の確保とともに、茨城産の周年供給を期待 ・本県の初夏ネギ(4~6月)は品質良好で評価が高く安定した需要があり、引き続き出荷量の確保を要望 ・一方、夏ネギの売り場づくりのため、高温期における品質の管理が重要 |
ピーマン | ・本県産を主力に、岩手や宮崎・高知等西南暖地から入荷。周年にわたり需要は安定しているなか、引き続き年間を通した安定供給を要望 ・本県産の売り場づくりを進めるため、的確な出荷情報が重要 |
カンショ | ・小売店、コンビニの焼きいも販売など堅調な需要を背景に入荷量の増加傾向が続くなか、一層の品質管理が重要 ・年間を通した需要を維持継続するため、引き続き周年安定供給を要望 |