本年は6月15日から9月14日を『茨城県農薬危害防止運動』の期間としており、期間中には講習会の開催やポスターの配布・掲示などにより、農薬の安全かつ適正な使用や保管管理等の取扱いに関する啓発を行っています。
農薬の使用に伴う事故・被害の発生状況
農林水産省・厚生労働省の調査によると、令和4年度の人に対する農薬事故の発生件数(全国)は18件で、そのうち死亡事故は4件発生しました。
農薬事故を原因別にみると(図)、農薬の調整または散布時の「メガネ、マスク等の装備が不十分」と、農薬を飲料と間違えたために誤飲するなど「保管管理不良等による誤飲誤食」がそれぞれ4件(全体の22%)と最も多く、次いで、土壌くん蒸剤(クロルピクリン剤)使用時に被覆が不十分であったなど「農薬使用後の作業管理の不良」による事故が2件(同11%)発生しました。また、「強風中や風下での散布等、自らの不注意により本人が暴露」と「ドリフト防止対策の未実施等による農薬のドリフトや流出」、「その他」の事故がそれぞれ1件(同6%)発生し、また「原因不明」の事故も5件(同28%)発生しました。
このような事故を起こさないためにも、農薬の使用中はもちろん、保管中も農薬の取扱いには十分に注意し、事故の発生を防止しましょう。
※構成比は小数点以下第1位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%とはなりません
農薬を安全に使用するために
農薬の使用にあたっては、以下の点を必ず守り、安全かつ適正に使用しましょう。
【農薬使用前】
・農薬使用前日は、飲酒を控え、十分な睡眠をとる等体調を整える。
・事前に、防除機具等の十分な点検整備を行う。
・農薬を散布するときは、散布前に周辺住民等の関係者に連絡し、必要に応じ立札を立て注意喚起を行う等、事前周知をする。
・農薬のラベルをよく確認し、使用基準を守って使用する。最終有効年月を過ぎた農薬は使用しない。
【農薬使用中、使用後】
・農薬の調整や散布を行うときは、保護メガネや農薬用マスク等の防護装備を着用し、かつ、慎重に取り扱う。
・居住者、通行人等に被害を及ぼさないよう、風向きを十分注意して散布する。また周辺への飛散を防ぐため、強風時における散布はしない。
・クロルピクリン剤等の土壌くん蒸剤を使用するときは、揮散した薬剤が周辺に影響を与えないよう風向き等に十分に注意するとともに、処理後直ちに厚手のポリエチレンシート等で完全に被覆する。
・水田・レンコン田に農薬を使用するときは、止水に関する注意事項を守り、農薬の流出を防ぐ。
【保管、廃棄時】
・農薬は使用後速やかに保管庫等に戻し、適切に管理する。また、毒物又は劇物に該当する農薬のみならず、全ての農薬について安全な場所に施錠して保管する等、農薬の保管管理には十分注意する。
・農薬やその希釈液、残渣等をペットボトルやガラス瓶などの飲食品の空き容器等への移し替えは絶対にしない。
・不要になった農薬や空容器、空袋は、関係法令を遵守し、廃棄物処理業者に処理を依頼する等により、適切に処理する。
※農薬の使用に関して不明な点がありましたら、お近くの農林事務所(経営・普及部門または農業改良普及センター)にお問い合わせください。