令和4年度からは県産農林水産物のイメージアップや販売促進を牽引するため、本県を代表し差別化できる農産物として「イバラキング」のほか、「常陸牛」、豚肉「常陸の輝き」、梨「恵水」、栗の5品目を重点化し、メディア露出効果によるブランドの確立を目指すとともに、全国の大消費地をターゲットに高級店や百貨店等への営業活動を積極的に進め、ブランドの定着を図っています。また、これらの活動と合わせて消費者に対するアンケート調査を行うことで、今後の販売戦略に活かしています。
今回は重点5品目のうち、「イバラキング」のブランド化に向けた令和4年度の取組を紹介します。
メディア露出を意識した話題性のある取組
●イバラキングと赤肉メロンのセット販売「IBARAKI melon King & Queen Selection」
県内のメロン主産地である3つのJA(ほこた、茨城旭村、水戸)と連携して、青肉メロンのイバラキングと赤肉メロン(クインシーまたはレノン)をギフト向けに2玉セットにした「IBARAKI melon King & Queen Selection」を180セットの数量限定で販売しました(写真1)。各品種とも糖度16度以上のメロンのみを産地で厳選し、県アンテナショップやオンライン等で販売を行ったところ、大きな話題を呼び、完売するとともに、テレビ等にも取り上げられました。
●メロンまるごとクリームソーダ<IBARAKI PREMIUM>の販売
産地で厳選した糖度16度以上のイバラキングをそのまま器として使用し、それに大子産米(だいごうまい)サイダーを注ぎ、笠間市産の栗アイスを盛りつけるなど茨城県産にこだわった「メロンまるごとクリームソーダ<IBARAKI PREMIUM>」を県内の飲食事業者と共同開発、野外音楽イベント等で販売しました(写真2)。
「イバラキング」を全国へ
また、東北最大の都市である仙台市で十数店舗を展開する老舗果物店において、青果やスイーツメニューを販売する「イバラキングフェア」を初めて開催しました。仙台は茨城県産メロンの市場占有率の高い地域ですが、これまでPRに力を入れてこなかった地域であり、東北エリアでの新たな一歩となりました。
さらに、関西圏でのブランド化を図るため、大阪等の百貨店において「イバラキングフェア」を開催し、消費者やバイヤーからも「イバラキング」を評価する声をいただいています(写真3)。
このように、仙台や大阪など、首都圏以外の大都市圏にも販路を拡大し、イバラキングの取扱いを推進しています。
消費者向けアンケート結果
イバラキングを購入した方やイバラキングを使用したメニューを選んだ方を対象として、メロンの購入に関するアンケートを実施しました。年齢別のイバラキングの認知度を見ると20代までの若年層の認知度が低く、青果の購入経験も低いという結果が明らかになりました(表1)。また、地域別にみると、茨城県内の認知度は高いものの、県外では認知度が低いこともわかりました(表2・図)。
アンケートの結果からは、県外認知度の向上、県外での贈答需要への対応、若年層への訴求が課題として見えてきました。今後は、引き続きテレビ等のマスメディアを活用したPRや、県外フェアの継続実施、若年層に人気のスイーツからの認知度向上など、ターゲット別の販売戦略に取り組んでいきます。
表1 イバラキングの認知度(年齢別)
(単位:%)
年齢 | 知っている (A+B) |
知っていて 購入経験あり(A) |
知っている(B) | 知らなかった |
---|---|---|---|---|
19歳以下 | 38.5 | 7.7 | 30.8 | 61.5 |
20代 | 29.4 | 11.8 | 17.6 | 70.6 |
30代 | 37.6 | 14.8 | 22.8 | 62.3 |
40代 | 39.4 | 20.4 | 19.0 | 60.6 |
50代 | 43.4 | 16.7 | 26.7 | 56.7 |
60代 | 40.4 | 21.4 | 19.0 | 59.5 |
70歳以上 | 40.0 | 33.3 | 6.7 | 60.0 |
全体 | 38.2 | 16.9 | 21.3 | 61.8 |
表2 イバラキングの認知度(地域別)
(単位:%)
地域 | 知っている (A+B) |
知っていて 購入経験あり(A) |
知っている(B) | 知らなかった |
---|---|---|---|---|
茨城県 | 87.5 | 68.8 | 18.8 | 12.5 |
茨城県以外 | 37.0 | 15.7 | 21.4 | 63.0 |
(※表2をグラフ化したものです)
さらなるブランド化のために
イバラキングのブランド化のためには、県内産地や各地域の市場関係者等と連携して取り組むことが重要となります。引き続き県では、「イバラキング」のさらなるブランド力向上を図ってまいります。