茨城県では、令和元年度から「誰もが認めるトップブランドに育成する品目」として、県オリジナル品種のナシ「恵水」および県の銘柄豚肉「常陸の輝き」について、都内百貨店や高級レストランでのフェアの実施等によるブランド化を進めてきました。
令和4年度からは「本県を代表し差別化できる農産物」として、「恵水」「常陸の輝き」に「常陸牛」「イバラキング」「栗」を加えた5品目に重点化し、メディア露出と、全国の大消費地をターゲットにした高級店等への営業活動によるブランド確立に取り組んでいます。
今回は、「恵水」のブランド化に向けた取組を紹介します。
ブランド確立を目指す恵水の取組
●1万果に1果「幻の恵水」
「恵水」は平成28年から出荷が開始された新しい品種です。そのため、認知度が低いことが課題です。そこで、大玉で糖度が高いという恵水の特長を活かした認知度向上の取組として、令和元年度から、1万果に1果と言われるほど希少な「幻の恵水」(重さ1kg以上、糖度14度以上、外観が優れるもの)の都内高級果実専門店の「京橋千疋屋」での取扱いを推進しています。
令和4年度には、メディア露出の取組として、県と県梨組合連合会が一丸となり、ナシ生産者が「幻の恵水」の栽培に挑戦する「幻の恵水プロジェクト」を実施することになり、本県出身の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)に応援団長に就任していただきました。二所ノ関親方に産地を訪問いただき生産者を激励してもらったこともあり、無事「幻の恵水」の栽培に成功し、生産者が二所ノ関部屋を訪問してプロジェクトの成果を報告するとともに、「幻の恵水」を贈呈しました。
ナシ生産者の大変な努力により収穫された「幻の恵水」は、「京橋千疋屋」で過去最高価格の1玉10,800円で販売され、テレビ等のメディアでも取り上げられたところです。
令和5年度も引き続き「幻の恵水プロジェクト」を実施し、この取組を通じたメディア露出により、「恵水」の認知度向上を図ってまいります。
●重さ500g、糖度13度以上の「特選恵水」
県内の一部の産地では、光センサーによりナシを切らずに糖度を測定できる「非破壊糖度測定」を行っていることから、平成28年度から重さ500g以上、糖度13度以上の恵水を「特選恵水」として差別化販売をしています。この「特選恵水」は高級フルーツを取り扱う高級果実専門店や百貨店で限定販売されています。一部の高級果実専門店では、「特選恵水」の販売を契機に今年度から通常の恵水の取引も始まりました。
県としては引き続き、恵水の品質の良さを伝える牽引役として、「特選恵水」の販売を推進してまいります。
●スイーツ専門店での提供
近年、若い世代でフルーツを食べる量が減っている一方、フルーツを加工品で食べる機会は増えています(※1)。そこで、若い世代の「恵水」の認知度を高めるため、青果販売に加え、フルーツパーラーやスイーツ専門店への恵水のスイーツメニューの提案を行っています。見た目にも美しいパフェやケーキ等はSNSでも人気を集め、「恵水」の認知度向上に寄与しています。
令和4年度から、銀座や青山などに店舗を構える人気のフルーツタルト専門店「キル フェ ボン」では、恵水を贅沢に使用したタルトが販売されています。恵水のシャリシャリとした食感と深い甘みを楽しめ大変好評であったことから、今年度も継続販売に向けて商談を進めているところです。
(※1)果樹をめぐる情勢(平成26年6月 農林水産省)
さらなるブランド化に向けて
恵水の生産量は県内のナシ生産量のごく一部ですが、徐々に増加しており、多くの消費者に購入していただけるようになってきました。当課では都内高級店だけでなく、県内の量販店とも連携し、恵水の出荷時期に合わせた県産ナシの販売PRを毎年行っています。自宅用だけでなく、ギフト用として恵水を購入されるお客様も年々増えてきており、恵水の認知度やブランド力の高まりを感じています。
引き続き、産地等と連携し、「恵水」のさらなるブランド化に取り組んでまいります。
【お知らせ】
令和5年度は、新たに茨城県内の高級飲食店において、常陸牛および恵水を使用したメニューフェアの開催を以下のとおり予定しています。
県内レストランフェア(常陸牛、恵水)・日程は9月上旬に掲載します
期間 | ・9月上旬~中旬(店舗により異なる) |
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店舗 | ○○ (住所等の店舗情報) ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ |