茨城県では、令和元年度から「誰もが認めるトップブランドに育成する品目」として、県オリジナル品種のナシ「恵水」および県の銘柄豚肉「常陸の輝き」について、都内百貨店や高級レストランでのフェアの実施等によるブランド化を進めてきました。
令和4年度からは「本県を代表し差別化できる農産物」として、「恵水」「常陸の輝き」に「常陸牛」「イバラキング」「クリ」を加えた5品目に重点化し、メディア露出と、全国の大消費地をターゲットにした高級店等への営業活動によるブランド確立に取り組んでいます。
今回は、茨城県が日本一の生産量を誇る「クリ」のブランド化に向けた取組を紹介します。
ブランド確立を目指すクリの取組
●「笠間マロンコレクション」
県産クリのブランド化と日本一のクリ産地への観光誘客を図るため、県内最大の産地である笠間市を「栗のまち 笠間」として全面に押し出し、栗スイーツを販売・PRするイベント「笠間マロンコレクション」を令和4年度に初めて池袋の商業施設で開催しました(写真1)。
イベントには笠間市内の店舗を中心とする茨城県内の菓子店等12店舗が出店し、モンブランをはじめとする栗スイーツを販売しました(写真2)。連日多くのお客様が来場され、開店を待つ行列ができるほどの盛況でした。お客様の中には一度に複数個のモンブランを購入して食べ比べをしたり、毎日来場して全店舗を制覇したりする方もいるなど、栗スイーツの根強い人気を実感するイベントとなりました。
また、イベントに先立って実施したオープニングセレモニーには多くのメディア関係者が取材に訪れ、テレビをはじめとするメディア露出にもつながるなど、茨城県の栗スイーツを広くPRする機会となりました。
令和5年度は商品の種類や数を増やすなど規模を拡大して開催することで、引き続き県産クリのPRに取り組みます。
●高級果実専門店・百貨店での販売
クリとして全国で初めてGIを取得した「飯沼栗」をはじめとする県産クリのブランド化を図るため、首都圏の高級果実専門店や百貨店での取扱いを推進しています。
高級果実専門店「京橋千疋屋」では、令和3年度から飯沼栗を販売しています(写真3)。一毬一果(一つの毬に一つの果実)が特長である飯沼栗は粒の大きさがお客様の目を引き、秋らしさが感じられると好評でした。
また、百貨店では生栗の販売に加えて一部の店舗で焼き栗の実演販売を行いました(写真4)。焼き栗機を使ってその場で調理し焼き立てを販売したことで、多くのお客様に手に取っていただく機会となりました。
●高級飲食店での取扱拡大
高級飲食店での取扱拡大のため、ミシュラン獲得店等に高品質な県産栗をサンプルとして提供し、メニュー化していただく取り組みも行っています(写真5)。
高級店ではこだわりの生産者から品種別に少量ずつ直接仕入れたい意向があるため、令和4年度は品種別の氷蔵熟成栗を中心に紹介しました。多くの店舗から「来年もぜひ購入したい」と高評価のコメントをいただいたほか、一部の店舗では品質に感動したシェフが自ら生産者を訪問するなど、県産クリの取扱拡大の足がかりとなりました。
茨城のクリの認知度アップとブランド力の向上
全国に数多くのブランド栗の産地がある中、茨城県のクリ産地も徐々にその品質の高さや加工品の豊富さが知られつつあります。当課では、より多くの方に茨城県のクリ産地を認知していただき、ブランド力の向上につながるよう、都内を中心にイベントや取扱拡大などの取り組みにさらに力を入れてまいります。