貿易・投資促進などを通じて、日本の経済・社会のさらなる発展に貢献することを目指しており、「農林水産物・食品」の輸出についても、政府目標である2025年に2兆円、2030年に5兆円の輸出額達成に貢献するため、企業の皆様や生産者の皆様を支援する様々な取り組みを行っています。今回は農産物輸出の各段階で利用いただける支援メニューの一部を紹介します。
情報収集:「農林水産物・食品の輸出支援ポータル」
輸出に取り組む際には、事前の情報収集が重要です。国・地域別や品目別の諸規制に関する情報収集により輸出可能な先を特定したうえで、現地の市場規模や嗜好などマーケティングの観点からも調査を行い、ターゲットとする国・地域を絞り込むことが大切です。
ジェトロでは、世界各国のビジネス情報をウェブサイトで公開しており、農産物輸出に関する情報は「農林水産物・食品の輸出支援ポータル」にまとめています。ここでは国・地域別、品目別の現地輸入規制や、海外主要国・地域のマーケティング基礎情報などを調べることができます。
個別相談:「農林水産物・食品輸出相談窓口」「海外コーディネーター」
ウェブサイトなどで調査を進めていくと、実務上のさまざまな疑問が生じるかもしれません。ジェトロでは各地の国内事務所に「農林水産物・食品輸出相談窓口」を設け、海外現地の輸入規制や留意点に関するご相談はもちろん、「輸出を始めてみたいが何から取り組んでいけばよいのか」といったご相談まで広くお応えしています。
また、海外主要国・地域では、現地在住の農林水産・食品分野の専門家を「海外コーディネーター」として配置しています。Eメール相談やブリーフィング(オンラインでも可)を通じ、自社商品の輸出の可能性や競合品、現地のトレンドなど輸出に関する幅広いご相談に、現地の感覚・目線でお応えします。
商談支援:「海外見本市」「海外バイヤー招へい」「海外PR向けコンテンツ作成支援」
情報収集やターゲット国・地域の絞り込みの後は、海外取引先を見つける必要があります。海外見本市への出展は多くの海外バイヤーと効率的に出会う手段の一つです。ジェトロは海外の主要見本市に「ジャパンパビリオン」を設置し、出展手続きのサポートやブース装飾費・出展料の一部を負担しています。
海外見本市への出展が難しい場合でも、日本にいながら海外バイヤーと商談いただける機会を提供しています。ジェトロ茨城では、茨城県との連携のもと、2023年に農産物の海外バイヤー招へいを2回実施し、茨城県内の圃場の視察や商談を行いました。8月にはマレーシアの大手農産物輸入事業者を招き、サツマイモ、メロン、ナシ、イチゴ、クリの商談を行いました。
10月にはシンガポールから日系の大手農産物輸入事業者を招き、サツマイモ、トマト、イチゴなどの商談を実施しました。
これらの招へいではバイヤーに実際に圃場を見ていただき、生産者の皆様から直接、思いやこだわり、産地の特長を伝えていただくことで、海外バイヤーに茨城県産農産物の魅力を理解していただく貴重な機会となりました。
さらに、コロナ禍を経て、ECサイトやオンラインカタログサイトといったデジタルを活用した海外販路開拓に取り組む事業者様も増えています。ジェトロ茨城では、「商品写真撮影事業」や「翻訳事業」、英語圏ネイティブの講師が翻訳やアドバイスをする「英訳コンサルティング事業」など、海外PR向けコンテンツ作成支援も行っています。数ある商品のなかからバイヤーの関心を引くためには、商品の魅力を的確に伝えるコンテンツ作成が極めて重要です。
お気軽にジェトロへご相談ください
ここまで、ジェトロの支援メニューの一部を紹介しましたが、大部分は無料でご利用いただけます。また、海外バイヤーと直接取引する「直接輸出」でなくとも、国内商社等を経由することで国内取引として完結できる「間接輸出」として海外での販売ができる方法もあります。
国内販路開拓の延長として、先を見据えた販路の選択肢の一つとして、少しでも輸出に関心がございましたら、ぜひお気軽にジェトロ茨城へご相談ください。
ジェトロ茨城
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