県では、農業の技術向上や経営発展に意欲のある方、農業を始めて間もない方、将来就農を目指す方など幅広い方々を対象に、学びの場を提供する「いばらき農業アカデミー」を開設しております。その一環で、これからの農業を担う若者を対象に、優れた農業経営の経営理念や戦略を学び、儲かる農業の実現につなげていただくため、平成30年から毎年 「ヤングファーマーズ・ミーティング」を開催しています。
7回目となる今回は、令和6年8月7日にザ・ヒロサワ・シティ会館(水戸市)において、県内外で経営革新や新たな挑戦をし続ける農業経営者を招き、基調講演と分科会を開催し、県内農業者をはじめ農業を学ぶ高校生を含む157名と多くの方々に参加していただきました。
これからの農業を担う若手農業者へメッセージ
開会にあたり、大井川知事は「茨城県のように東京に近く非常に環境に恵まれた地域であっても、しっかりと経営者マインドを持って農業経営に取り組む必要がある。県としても、これからの人口減少時代に立ち向かえる強い農業を実現していくために、規模拡大や国内外市場の開拓などに取り組み、かなりの成果を上げてきている。ぜひ若い農業者の方々と一緒に、茨城県の農業をこれからの若者が憧れるような職業にしていきたい。そのために皆様の成功を全力で後押しし、応援するので頑張ってほしい。」と激励しました。
先進的な農業経営者の戦略を学ぶ
基調講演は、石川県の有限会社 安井ファーム 代表取締役 安井 善成 氏を講師としてお招きし、「水稲単一経営からの飛躍~北陸最大の水田複合経営体ができるまで~」と題して講演いただきました。
安井氏は父親より継承した水稲単作の経営に危機感を抱き、2003年からブロッコリーとの複合経営に移行しました。そして、収益率向上のために取り組んだスマート農業の導入、「やりたいことができる環境づくり」による人材育成と企業価値の向上、その具体的な例として干しいもの商品化や農産物直売所「花蕾屋」の取組、SNSを活用した広報活動についてお話いただきました。
基調講演後は、安井氏に加え、県内の先進的な農業経営者3名を講師とし、4つの分科会でそれぞれの経営戦略について講話いただき、さらに会場の参加者とディスカッションすることで理解を深めました。
分科会のテーマと講師は以下のとおりです。
テーマ | 講師 | |
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【第1分科会】 | 私が作業服を脱いだ時 ~㈱れんこん三兄弟宮本社長と探る 「これからの社長のありかた」~ |
有限会社安井ファーム 代表取締役 安井 善成 氏 |
【第2分科会】 | 誰もが輝ける職場づくりとクリエイティブ農業の実現 | 株式会社ドロップ 代表取締役 三浦 綾佳 氏 |
【第3分科会】 | 失敗からの法人設立 ~安定的な経営の実現~ | 株式会社ヤッカ 代表取締役社長 勝俣 良 氏 |
【第4分科会】 | 厳しい時代の生き残り方 ~オーガニックで「新しい農業のモデルづくり」に挑戦~ |
株式会社ユニオンファーム 代表取締役社長 玉造 洋祐 氏 |
農業者の経営発展に向けて
参加者からは、「経営に関与していない立場の人間でも十分に経営に対して必要なノウハウや工夫、理念を理解できた」「規模拡大のためのロードマップが少し見えた」などご意見をいただきました。
今後もいばらき農業アカデミーでは「学びたいこと、学べます。伸ばしたいこと、伸ばせます」をキャッチフレーズに、多彩な講座を揃え、皆様の農業経営発展をサポートして参りますので、ぜひご活用ください。