ここではザルビオFMの主要な機能と活用方法を紹介します。
ザルビオFMの主な機能
●生育ステージを予測する機能
栽培条件(移植/播種日・方法)や品種ごとの特性値、日々の気象条件などから圃場ごとにリアルタイムおよび作付け期間中の生育ステージを予測する機能です(図2)。
例えば、大規模な稲作経営においては、同じ品種であっても移植/播種日が長期にわたります。毎年の気象条件によって生育の進み具合は異なり、それに応じた管理が求められます。
そのため、ザルビオFMが予測する主要な生育ステージ(幼穂形成期、出穂期、成熟期)を参考にすることで、適切な作業計画を立てることが可能となります。
●病害や雑草の発生リスクを察知し、最適な防除計画を提示
ザルビオFMでは、例えば水稲の主要病害(いもち病、紋枯病、稲こうじ病、白葉枯病)について、品種情報(耐病性など)、防除履歴および気象条件などからリアルタイムおよび4日後までの感染リスクを推定します(図3)。基幹防除内容はあらかじめ生育予測に基づいてスケジューリングしておき、ザルビオFMが示す感染リスクに応じて、臨機防除の判断を行うことができます。
ダイズの雑草防除においては、当該圃場で問題となる草種や耕種条件をあらかじめ登録することにより、最適な防除体系をザルビオFMが選択し、生育ステージに応じて作業推奨をアラートします。これにより草種に応じた最適な薬剤や防除タイミングで防除を効率よく行うことができます。
●生育のバラつきを見える化
ザルビオFMは、人工衛星画像を解析し、圃場ごとに生育量(バイオマス)を算出します。
バイオマスはNDVI(正規化植生指数)およびLAI(葉面積指数)で示されます。これらは圃場に雲がかかっていない日には毎日アップロードされます。ザルビオFM上では圃場ごとのバイオマスを俯瞰的に把握することが可能ですので、管理する圃場数が多い場合は、各圃場の生育状況を一度に確認できます。
また、大区画圃場では圃場内の生育ムラが生じることが多いですが、ザルビオFM上では圃場内の生育量をゾーン化して表示されるため、生育不良個所を特定することができます(図4)。
●スマート農機を使って可変施肥を実施
衛星画像に基づいた解析データから、可変施肥のためのマップを自動作成できます(図5)。
これまでの可変施肥は施肥マップを作製するためにドローン空撮等が必要であり、手間と金額がかかりましたが、ザルビオFMならドローンを飛ばすことなく、自宅で簡単に施肥マップが作成でき、かつ、対応農機と連携させることで、手軽に可変施肥を行うことができます(表)。可変施肥を有効に活用することで作物の品質安定や施肥量削減が可能です。令和6年からKSAS(株式会社クボタ)、DJIドローン等との連携を開始し、順次、連携機械を拡大していく予定です。
作業機 | 品名 | メーカー | 備考 |
---|---|---|---|
ブロードキャスター | GPSナビキャスタ | (株)IHIアグリテック | |
側条田植え機 | 可変施肥田植機YR8D、XVTSD | ヤンマー | 直進アシスト機能付 |
ワイドスプレッダー | RO-EDW GEOSPREAD | ビコン | ターミナル: IsoMatch Tellus PRO |
ブームスプレイヤー | iXterB18 |
【利用料金】
基本料金(~2haまで)
水稲、ダイズ、麦:12,000円(作物ごと)
その他作物(14種類※1):6,000円
追加料金(2ha以上)
・予測機能: 500円/ha(作物ごと)
・生育・地力マップ:500円/ha(作物ごと)
可変施肥マップ:1,000円/ha(全作物)
機能・マップの利用料金は100ha相当分を上限とし、それ以上は一定価格になります。
【お問い合わせ】
JA全農いばらき 農機営農支援部 営農支援課 技術普及推進室
電話:029-291-1012
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