
世の中には「何て変わった花だろう」と思うものがあります。美しいというわけではなく、見た事がない形や独特の模様や色をもち、バラのようにウットリするような甘い香りではなく、ハッキリ言えば異臭と言える嫌な香りを放つ珍奇植物〜私がお勧めする、見たら忘れられない個性的な植物は「スタペリア」です。
南アフリカ、ケニア、タンザニア、インド東部に約90種類が分布するガガイモ科(キョウチクトウ科)の多肉植物で、茎は四角い柱のよう。ちょっと見た感じはサボテンに似ています。
我が家で育てているスタペリアは9〜10月の秋に、花が咲きます。心を引き付けるのは、直径15cmほどのヒトデのような形をした花です。ベースの色は淡い黄色で、全体に暗紫色の横紋が入ります。花全体が長い毛で覆われているのも気になります。
花が咲くと上部が重くなって株が倒れそうになるため、鉢ごと陶器の器に入れて庭のテーブルに置き、リビングから花が鑑賞できるようにしました。すると家族から「あの花、何とかならない?」とクレームが出ました。花をめがけてハエが何匹もブンブン飛んでくるのです。
悪臭のような花の香りに誘われてハエが来ると、卵を産み、幼虫になったウジムシが花の内部に入り込んで動き回り、奥に隠された雄しべの花粉を雌しべの柱頭につけて受粉させるそう。長い毛はハエが止まりやすいようにする工夫だったのでしょう。
残念ながらインパクトのある花は一日で終わってしまいます。花後は夢を見ていたかのように、サボテン風の柱がひっそり立っているのです。「ビザールプランツ」という名前で販売されることがあるそうです。フランス語で「奇妙な」「風変わりな」という意味です。