水戸市植物公園が開園した時から観賞大温室で育てている熱帯植物の中で花がよく咲くのはサンゴバナです。
キツネノマゴ科キツネノマゴ属(ジャスティシア属)でブラジル原産。英名をFlamingo plantフラミンゴ プランツと言い、ピンクの花が溢れるように咲く姿が、鳥のフラミンゴの首から頭に似ていることが由来とか。
和名は、花姿がサンゴに似ているからサンゴバナ。見た人の感覚で、花の名前も変わるものですね。
この花が咲く温室は「花の回廊」ですが、キツネノマゴ科の植物がけっこう多いんですよ。それは、今から約30年前、私は温室で花が咲く種類が少なくて困った時がありました。そんな時、関西の植物園の方がいらして「よく咲くのは何ですか?」と質問されました。
「サンゴバナやパキスタキスかなあ」「では、この仲間を集めれば良いんですよ」それがキツネノマゴ科を集めるきっかけになりました。
ディアンテラ ノドサ、プセウドランテムム ラクシフロルム、パキスタキス コッキネアなど、3歩歩くと忘れてしまいそうな名前の植物たちもこの仲間で、咲いては休み、咲いては休みを繰り返します。
肝心のサンゴバナは最低10℃を保てる温室内で、よく光が当たる場所に植え、花が咲き終りかけたら早めにつけねで短めに切ること。黄化し始めた葉も早めに切って、肥料を切らさずに与えることが次の花を早めに咲かせるコツです。花がらを放置しておくと、花が咲くことを忘れてしまったかのように、休んでしまいます。
夕方になると、温室内をハサミと袋を持ち「ダメだなあ」と独り言を言いながら終わった花を切る私がいます。