冬の温室はまさにウィンター ガーデン(Winter Garden)です。屋外の植物たちは春が訪れるまで静かに眠っている中、温室の中は「冬の庭」となり、この時期に咲く熱帯の花たちがみなさんを別世界へと誘います。
そんなウィンターガーデンで、ひときわ目を引く青紫色の花があります。熱帯果樹温室で咲くエランテムムプルケルム(Eranthemum pulchellum)です。ラテン語で「Er」は春、「anthemum」は花を、「pulchellumプルケルム」は「可愛い」を意味しますから「可愛い春の花」と言った名前なんですね。
和名は「瑠璃花笠(るりはながさ)」。瑠璃色の花色と、緑と白の縞模様が入る苞葉の模様がなんとも言えず美しく、私のお気に入りの熱帯植物です。
キツネノマゴ科ルリハナガサ属で、インドで広く自生していますが、東南アジアなどに広まって広く栽培されているそうです。ハワイでは生垣にも利用されるとか。
日本には明治時代に渡来したそうです。 英名をブルーセージ(blue sage)といいます。セージと言えば有名なハーブで薬草です。瑠璃花笠も薬草として利用するのかと調べてみたら、フィリピンでは根や葉の煎じ薬を抗菌、傷、潰瘍に使用するようです。
一昨年、挿し木をした株が増えたのでプランターに植えました。細くて形の悪い枝を付け根で切り、リン酸分がやや多めの化成肥料を追肥しました。少しでも花が多く咲くように準備は完了。日当たりが良い温室で、瑠璃色の花が私たちを楽しませてくれますように、思いを込めて手入れをしています。
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