本年は6月15日~9月14日を『茨城県農薬危害防止運動』の期間としており、期間中には、講習会の開催やポスターの配布・掲示などにより、農薬の適正な使用や正しい保管・廃棄などの取扱いに関する啓発を行っています。
農薬の使用に伴う事故・被害の発生状況
農林水産省・厚生労働省の調査によると、令和3年度の人に対する農薬事故の発生件数(全国)は19件で、死亡事故はありませんでした。
農薬事故を原因別にみると(図)、農薬をペットボトルへ移し替えたために誤飲するなど、「保管管理不良等による誤飲誤食」が6件(全体の32%)と最も多く、次いで、土壌くん蒸剤(クロルピクリン剤)使用時に被覆が不十分であったなど「農薬使用後の作業管理の不良」による事故が3件(同16%)発生しました。また、「防除器具の故障、操作ミス、整備不良等による農薬のドリフトや流出」、農薬の調整または散布時の「メガネ、マスク等の装備が不十分」や「その他」の事故がそれぞれ2件(同11%)、「強風中や風下での散布等、自らの不注意により本人が暴露」が1件(同5%)発生し、「原因不明」の事故も3件(同16%)発生しました。
このような事故を起こさないためにも、農薬の使用中はもちろん、保管中も農薬の取扱いには十分に注意し、事故の発生を防止しましょう。

農薬を安全に使用するために
農薬の使用にあたっては、以下の点にも注意が必要です。
【農薬使用前】
・農薬使用前日は、飲酒を控え、十分な睡眠をとるなど体調を整える。
・事前に、防除機器の点検・整備を行うとともに、周辺住民等への周知を行う。
・農薬のラベルをよく確認し、使用基準を守って使用する。最終有効年月を過ぎた農薬は使用しない。
【農薬使用中、使用後】
・農薬の調整や散布を行うときは、保護メガネや農薬用マスクなどの保護具を着用する。
・農薬を使うときは、風向きを見て周辺に飛散しないよう注意する。
・クロルピクリン剤等土壌くん蒸剤を使用するときは、揮散した薬剤が周辺に影響を与えないよう、処理後ただちに厚手のポリエチレンシート等で完全に被覆する。
・水田・レンコン田に農薬を使用するときは、止水に関する注意事項を守り、農薬の流出を防ぐ。
【保管、廃棄時】
・農薬は使用後、速やかに保管庫等に戻し、適切に管理する。飲食品の空き容器等への移し替えは絶対にしない。
・不要になった農薬や空き容器は、関係法令を遵守し、廃棄物処理業者に処理を依頼し、適切に処理する。
※農薬の使用に関して不明な点がありましたら、お近くの農林事務所(経営・普及部門または農業改良普及センター)にお問い合わせください。