水戸市植物公園の観賞大温室が再整備されて日当たりが良くなったおかげで、開花する熱帯植物が増えました。
中でもパイナップル科のビルベルギア(ツツアナナス)属は、今まで開花した花を覚えていないくらい、私にとっては以前は地味で目立たなかった植物でした。
ビルベルギア属はブラジルを中心に、50〜60種類が分布し、樹や岩などに着生します。葉の構造が筒状で中心部に水を貯めることができるので「タンクブロメリア」と呼ばれて、最近人気があります。
同じパイナップル科のネオレゲリア属を植栽するので、同じ場所に植えてみました。再整備前は棚下の薄暗い場所で管理していたのですが、日当たりの良い岩山に環境を変えました。岩の窪みに炭と水苔で株を植え、時に有機肥料を埋め込んで施肥も行った結果、筒状の葉は大きくなって、葉色や模様が美しくなり、花が咲くようになりました。
和名をベニフデツツアナナスと言うBillbergia pyramidddalisビルベルギアピラミダリスの園芸品種‘ヴァリエガタ’は、株の下部が太めの漏斗状で、明るい緑葉に白の縁取りが鮮やかに入ります。
たくさん植えたら迫力があるかと思い、太陽に向かって堂々とそびえ立つように植えました。
夏になると葉の中央部から花茎が伸びて赤色の花穂が登場。やがて先端が青紫色の柱頭が伸びた小花が50くらい咲き、その姿の美しいこと。花の命は3〜4日と短命ですが、心に残る美しい花姿です。
1回花が咲くとその株はもう開花しません。もったいないのですが、開花後は付け根で切って、側で芽を出している子株を育てます。岩山で花が咲きそろう姿はほんの数日ですが、運よく出会えると良いですね。