みなさん、夏の疲れは出ていませんか。梅雨明け以降厳しい暑さが続いていますね。
私はこの厳しい暑さが続くと、とても食べたくなる料理があります。それは私が生まれ育った富山の「たら汁」という郷土料理なのですが、茨城で暮らし始めてから30年以上作ったことはありません。食べたいのになぜ作らないのかというと、この郷土料理は、茨城の気候や自然環境の中では口に合わないのでは、という味覚の直感のようなものがそう思わせている気がします。
この直感は、茨城県民としてこの地に馴染んできた証でもあるのでしょうか。
長く茨城で生活していると、この土地に根付いた産物を使って、この地域独自の調理法で作られ、地域で伝承されている料理が口に合うようになってきたのです。
一年を通じて、温暖な気候のこの土地で育つ四季折々の野菜類をたっぷり使う茨城の郷土料理は、ご近所の先輩お母さんたちから口伝で知ったり、食生活改善推進員の調理実習で習ったりしました。
それが我が家で好評の一品となり、子供たちにも作り方を教え伝えて今日に至っています。
郷土料理はネット検索で見つけることができレシピも掲載されていますが、レシピの味付けをベースとして、地域で教えてもらった作り慣れてきた味付けで仕上げることが大切なのではないでしょうか。これが郷土料理を伝承していく人から人への繋がりでもあるような気がします。
8月のレシピには、日立市特産の茂宮カボチャを使った一品をご紹介いたします。
ほくほくしたカボチャです。いろいろな調理法がありますが、今回は15年ほど前に地域の料理教室で作ってから、我が家のお馴染みの一品であるお団子にしてみました。口当たりの良い一品です。
また、炒り豆腐は栄養バランスが良く、梅干しの酸味や塩味が暑い時期のミネラル補給になり、クミンのスパイシーな香りは食欲を増す役割があります。
この先も残暑が続きます。まだまだ暑さへの備えをして、夏バテにならないように気をつけていきましょう。
梅干し入り炒り豆腐

●材料(2人分)
木綿豆腐 200g
干しシイタケ 1枚
ニンジン 30g
サヤインゲン 4本
梅干し(20gくらいのもの) 1個
卵 1個
油 大さじ2
クミン 小さじ1
A
みりん・酒 各大さじ1
しょうゆ 大さじ1/2
●作り方
①木綿豆腐はキッチンペーパーなどで水切りする。
②干しシイタケは水戻しして薄切り、ニンジンは3cm程の長さの細切り、サヤインゲンは湯通しして斜め細切りにする。梅干しは種を除き包丁で粗くたたいておく。
卵は溶きほぐす。
③鍋に油を熱し、干しシイタケを炒め、続けてニンジンを加えて炒め、①を加えて粗くつぶしながら炒める。
④ ③にAを加えて汁気がなくなるまで炒り、溶いた卵液を流し入れて手早く混ぜる。
⑤ ④に梅干しとサヤインゲンを加え、全体が混ざるように炒める。
⑥ ⑤を器に盛りクミンをちらす。
茂宮かぼちゃのもちもち団子

●材料(8個分)
カボチャ 250g
片栗粉 50g
きな粉 10g
砂糖 3g
塩 少々
●作り方
①カボチャは種とワタを取り除き、2cm角程の大きさに切り、柔らかくなるまで蒸す。
②ボールに①を入れ熱いうちにフォークでつぶす。
③粗熱を取り、片栗粉を加えて木べらなどでよく混ぜる。
④1個が30gぐらいの大きさに丸めて、手のひらで平たくする。厚みは2cm程度。
⑤鍋に湯を沸かして④を入れゆで、浮き上がってきたらすくい取り器に盛る。
⑥⑤にきな粉(砂糖と塩をあらかじめ混ぜておく)をかける。
※カボチャは蒸さずに電子レンジで柔らかくしてもよいでしょう(250gで600w4分が目安)。
※きな粉以外に、柚子味噌をのせたり(写真右)、葛きりや寒天と合わせて黒蜜をかけて食べるのも美味しいです(写真奥)。
※冷蔵すると固くなるので、調理して早めに食べるのが美味しいです。
※ゆでてからフライパンに油を熱し、両面をこんがりと焼いて食べるのもよいでしょう。